- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/23
- メディア: 単行本
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ガリレオシリーズ第5作、第2長編。『オール讀物』2006年11月号〜2008年4月号連載。2008年10月発売。
今頃手に取るかと言われそうだが、興味が湧いたので家にあったのを読んでみた。
事件そのものはシンプル。犯人はわかっており、どうやって毒を飲ますことが出来たのか、という一点に事件の謎はかかっている。ちょっとした引っ掛かりがあったとはいえ、まさに「女の勘」で綾音を追いかける内海刑事。一方綾音に魅かれてしまい、綾音の無実を証明するかのように「男の意地」で被害者の周辺を追いかける草薙刑事。女と男の闘いみたいな状況になっているが、事件そのものも女と男の考え方の違いから発生している。はっきり言って男の我儘というような事件ではあるが、それにしても綾音の心情が悲しすぎる。「毒の混入」だけだったら予想は付くかもしれないが、現場の状況がそれを否定している。その「トリック」には、泣けてくるといってよい。
なんだかんだ言っても、やはり東野圭吾は読ませるだけのミステリを書いてくれる。さすがとしか言いようがない。