平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子・F・不二雄『オバケのQ太郎』第1巻(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

オバケのQ太郎 1 (藤子・F・不二雄大全集)

オバケのQ太郎 1 (藤子・F・不二雄大全集)

ついに出ました、藤子・F・不二雄大全集。栄えある第1回配本は、『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』の3冊。『オバケのQ太郎』は藤子不二雄Aとの合作であったことから長らく絶版状態であったため、ファンにとっても嬉しい刊行である。月報を見ると、旧が全12巻、新が全4巻とのこと。
第1巻は最初に掲載された「少年サンデー」連載版。こういうのを読むと、当時の週刊漫画誌のターゲットは小学生だということがわかる。初めて読むエピソードが多い。藤子不二雄ランドでは旧全20巻、新全7巻が出版されていたことからほとんどの作品が収録されたものと勝手に思いこんでいたが、思ったより未収録作品は多そうだ。
スタジオ・ゼロ雑誌部の仕事として描かれたことから、当初は、藤子F、藤子Aだけではなく、赤塚不二夫石森章太郎(当時)、つのだじろうも脇役や背景等を描いて手伝っていた。
改めて読んでみると、『パーマン』以降の藤子作品と較べても、ナンセンス度が高い。藤子ブーム時に『パーマン』はアニメ化された際に改めて新作が描かれたが、『オバケのQ太郎』は藤子Fが「このような作品はもう書けない」と断ったのも頷ける話である。この辺のナンセンスギャグは、藤子Aの影響もあるのかなとは思ってしまうが、どうだろうか。
藤子不二雄最初の大ホームラン作品であり、3度もアニメ化されるなどの国民的人気作品でありながら、20年以上も絶版状態だった作品がこうやって出版されることはとても嬉しい。続きが楽しみである。
ところで、よく藤子AがエッセイなどでオバQ再開のときに「みんなが出ろ出ろ言うからまた出たよ」とQ太郎が喋っていると書いているのだが、そんなシーンはどこにもない。あれって藤子Aの勘違い? それとも誇張して書いたの?