平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子・F・不二雄『ドラえもん』第1巻(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)

ついに出ました、藤子・F・不二雄大全集。栄えある第1回配本は、『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』の3冊。小学館から1981年に出版された藤子不二雄自選集全10巻で選ばれた作品と同じである。『ドラ・Q・パーマン』というクロスオーバーアニメ作品もあるし、やはり藤子Fで最初に挙がる三作品といえばこのラインナップになるのだろうか。
ナンバリングを見ると、『ドラえもん』第1巻がFZ-001、『オバケのQ太郎』第1巻がFZ-027、『パーマン』第1巻がFZ-043となっている。パンフレット等にある第1期全33巻の並びを見ると、『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』『キテレツ大百科』『エスパー魔美』『バケルくん』『海の王子』『ジャングル黒べえ』となっているから、単純に推理すると『ドラえもん』は全26巻、『オバケのQ太郎』は全16巻(新を含む)ということになる。ただ月報を見ると『ドラえもん』は全20巻と書かれているから、残り6冊は大長編になるのか。1冊あたり3編収録されると藤子が直筆した全17作が収録されることになるし。ナンバリングが3桁になっているから、少なくとも100冊は出版されるということだろうか。それだと、第1期33巻という中途半端な数字も納得できる。どうやら第3期までは確実に出版するらしいから、100を3で割るとちょうどその数字になる。
本全集の『ドラえもん』は学年繰り上がり収録を採用。ということで第1巻に収録されているのは、1959年度生まれ編、1960年度生まれ編、1961年度生まれ編の全57話を収録。初期のナンセンスあふれる作品から徐々に『ドラえもん』の絵や方向性が固まって来つつあるところまでが収録されており、『ドラえもん』という作品の性格の移り変わりがよくわかる。月報や初出リスト、月報も嬉しい。作者の意向を無視した改変を元に戻しているという出版姿勢にも好感が持てる(とはいえ、「クル○○○ー」とかはダメなのね、『パーマン』を読むと)。タケトンボも当初のヘリコプターに直っていた。
単行本に初収録されたのは「やきゅうそうどう」「オーケーマイク」くらいか? 残りは読んだ記憶がある。
ようやく出版された藤子F全集。続きが楽しみである。