- 作者: 先崎学
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 文庫
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「将棋世界」に連載されたエッセイをまとめた単行本『世界は右に回る 将棋指しの優雅な日々』(日本将棋連盟 1997)に、「将棋世界」1997年9月号〜1998年8月号に掲載された「先崎学の気楽にいこう」、「将棋世界」に1992年に掲載された「先チャンにおまかせ」を加えて2001年に刊行。
将棋界が誇る元・天才、先崎学のエッセイ集。谷川浩司が名人で、羽生善治や佐藤康光などがまだ若かった頃。河口俊彦が「対局日誌」で、昔に比べ棋士がつまらなくなったと言われた世代なれど、こうして読めばやはり棋士という人たちは、一般の人たちと違うんだなあと思わせるものがある。逆に普通の青年と変わらないじゃん、といいたくなるような話もあり、等身大の棋士の姿を見ることができる貴重なエッセイである。
考えてみれば、「将棋世界」で全部読んでいるんだよね。買うまで忘れていたけれど。先崎学の文章は楽しいわ。ただ、この人はこういうことをしなければ、もっと酒を飲まなければ、もっと遊ばなければ、もっと棋士として活躍できたんじゃないかと思ってしまうのも事実。才能があふれすぎた人の悲劇というべきかな。芹沢博文みたいに。