- 作者: クレイグトーマス,田村源二
- 出版社/メーカー: 扶桑社
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オーブリー逮捕劇の真相とは? ウィーンのKGB駐在官を拉致したハイドは、その男から驚くべき人物の名前を聞き出した。ペトルーニン。オーブリーのために大失態を演じ、アフガニスタンに左遷されたKGBの大佐だ。今回の<涙のしずく>作戦はペトルーニンが考案した謀略だというのだ。KGB上層部は彼をアフガニスタンへ追いやりながらも、その計画だけは取り上げ、いまそれを実行に移したのだ。だが、計画の全貌は発案者のペトルーニン本人から聞き出さなければならない。ハイドは宿敵を求めて単身、戦乱のアフガニスタンへ飛んだ。
繊細な野獣に変身した工作員ハイドが、駆け、吠え、襲い、逃げ、殺し、恐怖に身を震わせ、苦痛に身をよじり、ウィーン、アフガニスタン、チェコスロヴァキアと、地獄のなかを疾走する。(下巻 粗筋紹介より引用)
1985年、“Bear's Tears”のタイトルで英国にて出版。1989年、日本で翻訳される。
映画化された『ファイアフォックス』で作者名は知っていたが、読むのは初めて。作者の10冊目とのこと。訳者あとがきで「お馴染みの面々が顔をそろえる」とある。オーブリーは確かレギュラーだが、ハイドもそうなのかな。まあ、その辺を知らなくとも十分読むことができるけれども、知っていた方がもうちょっと楽しめたかも知れない。
オーブリーが拘束され、ハイドが逃走してからは息つく間もないシーンの連続。逃走中の銃撃シーン、アフガニスタンでの大暴れなど、これでもかとばかりの活劇が続く。ハイドに都合が良すぎれる展開が多いものの、そういうハードなアクションを求める読者にとっては十分満足のいくものだろう。
ただ、これだけ綿密な計画を立てているくせに、罠を仕掛けた方が間抜けに見えてしまうのはどうだろう。都合良すぎる展開そのものもそうなのだが、普通だったらもっと防御しているだろうと言いたくなるのは確か。まあ、その辺のご都合主義も冒険小説には欠かせないところだが(凄い偏見かも)。
まあ、退屈することなく読むことができました。ただ、それ以上のものはなし。
これだけの作品で、この程度の感想しか書けないところに、自分の感受性がかなり落ちていることを認識する。