平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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もとなおこ『Dear ホームズ』第1巻(秋田書店 ボニータコミックス)

Dearホームズ 1 (ボニータコミックス)

Dearホームズ 1 (ボニータコミックス)

宿敵モリアーティ教授とともに、ライヘンバッハの滝に姿を消してから1年半。ホームズが住んでいた下宿に、下宿そっくりのドールズハウスが送られてきた。そしてそこにワトソンが見たのは、失踪したままのホームズであった。ただし、1/12サイズの……。

小さくなったホームズが、ワトソンとともに再び事件解決に乗り出す。「幼い依頼人」「煙突掃除少年の宝」「見習いメイドの災難」「尋ねる娘」の4編を収録。
ドールサイズのホームズという設定は面白いが、残念ながら設定を生かし切るほどの事件が出てきていないのは残念。むしろ最初の妻メアリを亡くしたワトソンと、こちらも若き未亡人の二代目ミセス・ハドソンとのやり取り(恋愛に発展?)の方が面白い。本編よりは全員若い設定になっているが、これもまたアリだろう。雰囲気作りはうまいので、あとはそれなりに難易度の高い事件が描ければ、ミステリコミックの歴史にページを残すだろう。掲載誌の都合上、1年に1冊程度の出版であるのが残念だが。