- 作者: 山川方夫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1991/05/17
- メディア: 文庫
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「夏の葬列」「待っている女」「お守り」「十三年」「朝のヨット」「他人の夏」「一人ぼっちのプレゼント」「煙突」「海岸公園」を収録。
山川方夫という作者を知ったのは、中学校時代の国語の教科書だった。収録されていたのは、本書の表題作である「夏の葬列」。教師に本作品の印象を聞かれ、私は「最後のどんでん返しがミステリ的だ」と答え、驚かれたのを覚えている。「夏の葬列」や「待っている女」は、1962年に「ヒッチコック・マガジン」に「親しい友人たち」と題するショートショートの連載作品である。巧妙な仕掛けとどんでん返しがあるのもなるほどと思ってしまった。
ただ、この人の代表的中編といわれている「海岸公園」はちょっと退屈で、読み続けるのがしんどかった。単に私の好みと合わなかっただけだとは思うが、この人の資質は、やはりショートショートだったのだろうか。