平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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奥田博昭『昭和ドロボー世相史』(社会思想社 現代教養文庫)

昭和ドロボー世相史 (現代教養文庫)

昭和ドロボー世相史 (現代教養文庫)

ドロボーもプロとなると、それでめしをくっているわけであるから、簡単に捕まってはならないし、絶えず研究している。「ドロボーは世につれ、世はまたドロボーにつれ」。ドロボーは「時代を映す鏡」である。(折り返しより引用)



「昭和ドロボー世相史」「ドロボー哲学論」「実践的ドロボー論」の章に分け、昭和元年から64年までの様々なドロボーの姿を紹介している。本のタイトルにあるとおり、ドロボーの世相史はそのまま昭和の世相史につながる。戦後の食糧困難期においては、食糧ドロボーの様々な姿が。スーパーマーケットやデパートが増えると万引きが、宅配便が流行るとそれに化けたドロボーが、そこにいる。ドロボーの手口もまた、昭和の歴史のひとつなのである。