平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

景山民夫『遥かなる虎跡』(新潮文庫)

遥かなる虎跡 (新潮ミステリー倶楽部)

遥かなる虎跡 (新潮ミステリー倶楽部)

ボルネオの森林保護区で働く西緑郎は、病院で死を前にした老人から封筒を託される。西は手紙と3カラットのダイヤが入ったそれを老人の従妹アイリーンに届けるが、2人は何者かの襲撃をうける。手紙は"マレーの虎"山下奉文の幻の財宝のありかを教えるものだったのだ。アイリーンの愛車ダッジ・チャレンジャーを駆って、マレー半島を舞台にすさまじいカー・チェイスが始まった。(粗筋紹介より引用)



再々読ぐらいになるのかな。何回読んでも手に汗握りますね。まあ、こんなに都合よく逃げることができるのかなという思いはありますが、それは野暮というものでしょう。
カー・チェイスと同様、物語そのものもスピーディーに動くから、ページをめくるスピードがどんどん速くなる。ジェットコースターに乗っている感じだ。少しずつ動き出し、どんどん加速する。様々な起伏に驚き、歓声を上げ、いつの間にかゴールにたどり着く。ジェットコースターと同様、もう一度読んでみたい。そんな気にさせられる作品である。最近はこういう本が少なくなった。

冒険小説の新しい波が、誰の目にも見えるようになった頃、本作品が生まれた。放送作家で、ひょうきん族フルハム三浦がこんな冒険小説を書くのかと驚いたのが懐かしい。