- 作者: 免田栄
- 出版社/メーカー: インパクト出版会
- 発売日: 2004/08
- メディア: 単行本
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それにしても、刑事補償が全額認められた折、「尾崎さん(尾崎陞弁護団団長)が3000万円寄付せよ、と言うている」と荒木哲也弁護士に渡したら、1500万円は日弁連から領収書が来たが、残り1500万円については荒木弁護菓子が熊本弁護士会の会長選出馬時の運動費にでも使ったのか、他の弁護士に費用は渡されていない、と『死刑囚の手記』に書いたら人権擁護委員長から告訴するというお叱りの手紙をもらった、というのには呆気に取られた(告訴はなかった)。人権、人権などと訴えても所詮弁護士も金次第か。本書には、日弁連の中には免田の救援に金ばかりかかるのではないか、という批判の声もあった、と書かれている。金に苦労する人権保護には手を出したくないというのが一部弁護士の本音なのだろう。
また、免田栄氏が死刑確定した翌年の1952年7月、福岡刑務所教育部は郷里の門徒明覚寺に処刑通告を促すとともに、免田氏の実家に火葬代700円位を請求。その後再審請求を提出したことから火葬代が800円に値上げになった旨も伝えている。恐ろしい話である。
本書で新しい部分といえば、5章の「刑場に消えた人々」だろうか。過去の著作を全て読んでいるわけではないので、詳細なところはわからないのだが。免田氏が直接別れの握手を交わし、見送った56名の死刑囚については、別頁に記載。