平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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赤石路代『市長 遠山京香』第7巻(小学館 ジュディコミックス)

推理作家で華浜市長、遠山京香が困難な問題に、市民の目線で解決していくシリーズ、第7巻。本巻ではいきなり由比政親という新しい切れ者の助役が登場。Mr.シザー(ってどういう意味?)と呼ばれていて、仕事は速いし、市職員への情も厚いが、市民への情が薄い。市民への目線を重要視する市長とは、肌が合わない。
市民の方にばかり目を向けると、確かに市職員は二の次になる。こういう問題点もあるんだね、確かに。五時で帰ることができるから市役所に就職したのに、市民のために残業を強制させられるとなると、表だっては言えないだろうが不満を持つこともあるだろうな。いい勉強になります、はい。ただ、トップが本気でぶつかっていけば、下のものもついていくよ、本当に。そういう気にさせられるもの。最近は、そういうトップが減っているという事かな。もしくは、トップのやる気が下には見えないというか。日本の政治経済が停滞気味なのも、結局は上のやる気が下に伝わっていないことも一因だと思う。
本巻では、第2話の話がちょっとミステリっぽいかな。誰もが見落としそうなところから、事件の真相を突き止めるところは、さすが推理作家というところか。