大学を中退した19歳の白秋。彼の居場所はバイト先のコンビニだけだった。その平穏な日常を引っかき回す研修生が入店。店内で連続する事件にやたらと首を突っ込む女子高生の黒羽深咲だ。教育係の白秋は彼女の暴走する謎への好奇心に巻き込まれ、店の誰もが口を噤む過去の連続盗難事件の真相を推理することになり……。コンビニの「謎」と「あるある」にとことんこだわり、他の追随を許さない秋保水菓のデビュー作、ついに文庫化!(粗筋紹介より引用)
2018年、第56回メフィスト賞受賞。2018年4月、講談社ノベルスより刊行。2021年7月、文庫化。
作者は受賞時24歳、でいいのかな。高1の頃からコンビニで働いているとのこと。
19歳のフリーター男子とバイト研修中の女子高生コンビが、コンビニ店内で起きた不可思議な事件に挑む連作短編集。 作者のキャリアを活かしたコンビニあるあるや裏側を利用した作品作りはまあまあ面白い。インタビューを読むと、強盗事件は作者の実体験とのこと。
とはいえ、肝心の事件や謎解きの方は強引、ご都合主義が多い。さらにストーリーの方も無理矢理繋ぎ合わせたところが目立つ。登場人物の心理や行動原理も首を捻るものがあるし、結末はそれでいいのか、と突っ込みたくなるぐらい。ラノベだってもう少し心理面の整合性は取れていると思うが。
ラノベの学園ものの舞台をコンビニに置き換えたような作品だが、ちょっと工夫が足りなかったかな。もう少しコンビニならではの謎解きを期待したい。
