警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、旧友のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染めた。一方、市場に流出した新型機甲兵装が〈
2012年9月、書下ろし刊行。2013年、第34回吉川英治文学新人賞。
機龍警察シリーズ第3作。元モスクワ民警刑事捜査分隊捜査員で、今は特捜部付警部で龍機兵搭乗要員のユーリ・オズノフの過去に迫りつつ、武器密売の闇に迫る。
警視庁との契約を解除されたユーリが、ロシアン・マフィアの大物ティエーニ、実は幼馴染のアルセーニー・ゾロトフと連絡を取り合う。もちろんそれは偽造であり、沖津の作戦のための潜入捜査である。
モスクワ、そしてロシアはこれほどまでに腐っているのか、と言おうかと思ったが、まあそうなんだろうなと納得してしまうところが悲しい。そして政治って汚い、外交って汚い。ここに書かれているのはあくまで近未来SF小説の世界での話だが、もちろん現実でも似たようなやり取りはあるのだろう。過去に縛られながらもそんな暗黒市場に切り込んでいくユーリの姿があまりにも悲しく、そして逞しい。
今回は人間同士の戦いの方に重点を置かれたからか、龍機兵の戦いに割かれるページ数は少ない。そこはちょっと勿体ない気もするが、そこに到達するまでのストーリーがあまりにもどす黒いため、最後に浄化するためにも人対人を重視したのだろう。その分、わかりやすくストーリーを楽しめた気がする。
久しぶりにシリーズを手に取ってみたが、面白かった。これは第4作も早く読まねば。
