平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ロビン・クック『コーマ―昏睡―』(ハヤカワ文庫 NV)

 現代医学の粋を結集したボストン記念病院。その八号手術室に原因不明の事故が続発していた。簡単な手術の患者が昏睡状態に陥り、植物人間と化していく。事件に疑問を抱いた医学生スーザンは、病院側の圧力を受けつつも調査を開始する。だが、その時から何者かに脅迫され、命を狙われ始めた。敢然と追及を続けるスーザンが見出した衝撃の真相とは? 医学界の不気味な深淵に鋭くメスを入れる、戦慄の傑作医学サスペンス。
 1977年、アメリカで発表。1978年3月、早川書房より単行本刊行。1983年7月、文庫化。

 

 アメリカで空前のベストセラーになり、映画化もされた作品。
 訳者からのまえがきにもある通り医学用語が山ほど出てきて、内容を理解するのに最初は一苦労。それを過ぎれば、何とかなる。
 40年以上も前の作品ということもあってか、内容は古臭い。「衝撃の真相」も、今の読者だったらほぼ予想がつくだろう。まあ作者に先見の明があるといってしまえばそれまでだが。
 内容は盛りだくさんなのだが、スーザンが来てから終わるまでわずか4日間の出来事。いくらなんでも、無理じゃない? まあ、スーザンの活躍を楽しめればそれでいいのかもしれない。
 ということで、今読むには非常にきつい作品。それ以上、言うことがないや。