平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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瑞佐富郎『プロレス鎮魂曲(レクイエム) リングに生き散っていった23人のレスラーその死の真相』(standards)

 プロレスに生き、プロレスに死んでいった男たち。その壮絶な生涯を鮮烈に描き出す23の墓碑銘<エピタフ>。三沢光晴橋本真也、ダイナマイト・キッド、ビッグバン・ベイダーマサ斎藤ジャンボ鶴田ジャイアント馬場ハーリー・レイス……。平成~令和の時代に燃え尽きていった偉大なるレスラーたち、その凄絶な生き方と死へ立ち向かうドラマを描き出す、至高のプロレス・ノンフィクション。(粗筋紹介より引用)
 2019年9月、刊行。

 

 名プロレスラー23人の、亡くなるまでのエピソードをまとめた一冊。取り上げられたのはブルーザー・ブロディアンドレ・ザ・ジャイアントジャイアント馬場ジャンボ鶴田冬木弘道橋本真也、バッドニュース・アレン、三沢光晴ラッシャー木村山本小鉄星野勘太郎上田馬之助ビル・ロビンソンハヤブサ永源遥ミスター・ポーゴビッグバン・ベイダーマサ斎藤輪島大士、ダイナマイト・キッド、ザ・デストロイヤーハーリー・レイス、ウィリー・ウィリアムスの23名。
 「死の真相」という副題がついているが、単に各レスラーのなくなるまでのエピソードを短い伝記風にまとめたものである。そもそも、死亡についての疑惑があるわけでもなく、隠された部分があったわけでもない。副題のつけ方には問題があるだろう。 /> 各プロレスラーのエピソードは、どこかで読んだものが多い。それも功罪の「功」のエピソードばかり。まあ、各レスラーの負の部分を書かなかったことは評価してもいいと思う。昔テレビでプロレスを見ていて離れた人、最近プロレスを見始めた人、などにとっては、名レスラーがどんな人だったのかをとりあえず読める一冊だとは思う。感動の押し売りみたいな書き方には、ちょっと辟易するかもしれないが。その代わり、各レスラーの詳細についてはほとんど記されていないので、詳しく知りたいと思う人はネットで検索するなり、他の本や自伝などを調べなければならない。プロレスマニアにとっては物足りないこと間違いなしなので、手に取る必要はない。
 この手の本で、永源遥とか輪島大士が取り上げられたのは珍しいかもしれない。いつの間にか亡くなっていたとか、亡くなるまで何をしていたんだろうというレスラーは他にも大勢いるので、そういう人を取り上げた本を読んでみたいものだ。
 この本の重大な問題は、誤字脱字が多すぎること。誰かが見直そうとはしなかったのかと問い詰めたいぐらい。ウィリー・ウィリアムスの亡くなった日と年齢が全然違うというのは特に大問題だろう。しかもブロディのところからコピペしたのが見え見え。そういう意味でも、お手軽に切り貼りして作ったのだろうなという感がある。