平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)

 タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。(粗筋紹介より引用)
 2006年8月、単行本刊行。2006年、短編「独白するユニバーサル横メルカトル」が第59回日本推理作家協会賞短編部門受賞。2009年1月、文庫化。

 

 「C10H14N2(ニコチン)と少年――乞食と老婆」「Ωの聖餐」「無垢の祈り」「オペラントの肖像」「卵男(エッグマン)」「すまじき熱帯」「独白するユニバーサル横メルカトル」「怪物のような顔(フェース)の女と溶けた時計のような頭(おつむ)の男」の8編を収録。
 表題作が協会賞を受賞していなければ、間違いなく手に取らなかったと思うのだが、協会賞は全部読むという目標を自分に立てているので、読んでみることにした。結論としては、読まない方がよかった……。
 頑張って読み取ろうとしたんだけど、もう気持ち悪くて、気持ち悪くて。残酷だし、グロだし。自己完結すぎる世界の中の出来事が多すぎるし。肌に合わないの一言。うーん、なんとか全部読んだのだけれども、振り返りたくもないぐらいギブアップ。よく最後まで目を通した、と自分を褒めたい。
 好きな人は好きなんだろうなあ、とは思う。それぐらい強烈な世界感が文中どころか頁の余白からですら迫ってくるし。