平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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日経woman編集『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(日経BP)

駄言・だげん】とは?
「女はビジネスに向かない」のような思い込みによる発言。特に性別に基づくものが多い。相手の能力や個性を考えないステレオタイプな発言だが、言った当人には悪気がないことも多い。
「えっ男なのに育休取るの?」「男なんだし残業くらいしろー」「家事、手伝うよ」「ヘェ…それ彼氏の影響?」「就活は女性らしくスカートで」「ママなのに育休取らないの?」「君は女の子なのに仕事ができるね」
 女らしさ、男らしさ、キャリア・仕事能力、生活能力・家事、子育て、恋愛・結婚――400を超える駄言に、どう立ち向かえばいいのか(折り返し、帯より引用)
 2021年6月、刊行。

 

 2020年11月、日本経済新聞の紙面で呼びかけられた、心をくじく「駄言」のエピソードを集めてまとめたもの。第1章は集まった「駄言」のリスト、第2章は「駄言」についての6人へのインタビュー、第3章はどう立ち向かえばよいかである。
 読んでいて、心がくじけそうになりましたよ。無意識で使っている言葉が多い。酒を飲んでなくても、平気で言っていそうな言葉もある。言われてみれば、たしかに「駄言」だなと思えるものが多い。もう読んでみて、としか言いようがないくらい、心に刺さります。まあ一部は、「そんな意味では言っていない」とか「そういうつもりはない」とか「それは昔から伝わる表現だ」とか言い訳しそうだけど、それ自体が間違いだということに気付いてほしいな。一部の政治家とか評論家とかタレントとかがこういう発言をして批難の嵐に合っているのを見て、自分ならそんなことは言わないよ、という人にこそ読んでほしい一冊である。