執事探偵×令嬢刑事ふたたび! 新キャラはド天然な新米刑事!?
警視庁に栄転した風祭警部は大きなミスを犯して国立署に舞い戻り、麗子の後輩に新人の若宮愛里が加わり、新たなメンバーで難事件に挑むが!? 毒舌執事・影山の推理が冴えわたる本格ミステリ全5編!!
富豪の家で“無人だった”はずの部屋から発見された長男の首吊り死体の謎。「風祭警部の帰還」。
土蔵で見つかった骨董好きの老人の遺体と血文字のダイイングメッセージの謎。「血文字は密室の中」。
雑居ビルの裏で発見された墜落死体とそのポケットに入っていた血の付いたナイフの謎。「墜落死体はどこから」。
シェアハウスで殺害された看護師と5つの目覚まし時計の謎。「五つの目覚まし時計」。
アパートで殺害された大学生と建設作業員が“煙草を吸っている間に”目撃したという怪しい男の謎。「煙草に二本分のアリバイ」。(帯より引用)
『きらら』2020年1月号~9月号連載に書下ろし1本を加え、2021年4月、単行本刊行。
大ヒットシリーズ『謎解きはディナーのあとで』が8年ぶりに新シリーズで登場。世界的な複合企業『宝生グループ』の総帥の一人娘・宝生麗子、中堅自動車メーカー『風祭モータース』の御曹司・風祭警部のコンビに加えて新たにド天然新米刑事・若宮愛里が加わる。例によって事件を解くのは、麗子の執事・影山。
前作と全然変わらない性格と人間関係は面白いのだが、麗子が年を重ねたからか(と書くと怒られそうだが)パワーという点ではだいぶ落ちた気がする。言っちゃえば、ワンパターン化は避けられないのかな、と。新キャラを入れてもメインの流れは変わらないから、結局いつか来た道、になってしまう。本格ミステリとしても、少し軽くなったかな。作者も忙しいだろうし、仕方がないのかも。
懐かしい、とは思ったけれど、それ以上のものはなかったな。