平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』上中下(講談社ノベルス)

冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)

冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)

 
冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ)

冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ)

 
冷たい校舎の時は止まる  (下) (講談社ノベルス)

冷たい校舎の時は止まる (下) (講談社ノベルス)

 

  ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友の名前が思い出せない。死んだのは誰!?誰もが過ぎる青春という一時代をリアルに切なく描いた長編傑作。(上巻粗筋紹介より引用)
 不可解な現象によって突然校舎に閉じ込められてしまった8人を、ジワジワと侵食し始める恐怖と不安。張り詰めた緊張感の中、グループの一人が忽然と消えた……。未だに思い出すことができない級友の名前。少しずつ明かされていく、それぞれの心に潜む闇。5時53分で止まっていたはずの時計は、次に消される人物と深まる謎に向かって再び時を刻み始めた。(中巻粗筋紹介より引用)
 彼らは思い出せない。どうしても“その名”を思い出すことができない。学園祭最終日、学校の屋上から飛び降りて死んでしまった級友は誰だったのか。緊張と不安に包まれ次々と仲間が消える中、抵抗も空しく時計は進んでいく。そして不気味に鳴り響くチャイムとともにまた一人、誰かが消える。彼らを校舎に閉じ込め漆黒の恐怖に陥れている『ホスト』の正体がついに明らかに。(下巻粗筋紹介より引用)
 2004年、第31回メフィスト賞受賞。2004年6月~8月、3か月にわたり上中下巻刊行。

 

 そういえば読んでいなかったなと思って手に取ってみたのだが、かなり苦痛だった。どう考えてもおかしい登場人物が二人いるので、なんとなく読めてしまったんだよね。それと高校生の描かれ方が、リアリティがないというか、痛々しいというか。なんか大人が考えた高校生像にしか見えなくて。
 展開が遅くてイライラするし、所々で挟まれる各登場人物のエピソードにいら立ってしまった。本当なら丁寧に描かれている、という評にならなければいけないのだが、いら立つほうが先に来ちゃうのでダメ。作者と同名の人物を出す必要もなかったと思う。
 結局長すぎ。もっとコンパクトに書けるだろ、と言いたいところだが、それ以前の話。