平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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山田ルイ53世『一発屋芸人列伝』(新潮社)

一発屋芸人列伝

一発屋芸人列伝

  • 作者:山田ルイ53世
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/05/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  「一発屋」・髭男爵山田ルイ53世が、俗に「一発屋」と呼ばれる芸人たちへ行ったインタビューをまとめた一冊。『新潮45』2017年1~12月号連載。2018年、第24回雑誌ジャーナリズム賞作品賞受賞。2018年5月、ソフトカバーで単行本刊行。
 レイザーラモンHGコウメ太夫テツandトモ、ジョイマン、ムーディ勝山と天津・木村、波田陽区ハローケイスケとにかく明るい安村キンタロー。髭男爵が登場。
 いつしか「一発屋」というジャンルがお笑いでカテゴライズされるようになったが、『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』あたりで一発屋が量産、拡散されるようになり、本文中にもある通り“一発”までいかないうちにテレビから消えてしまった芸人も多い今日。キャラクターが注目を浴び、テレビで消費されまくり、飽きられていつしか出なくなる、というパターンを何度見たことか。
 ただ、本作に登場する芸人のほとんどは、どのような形であれ現在も生き残っているものがほとんどだ。テレビには出れなくても、どのように生き残るか。ある意味人生の教科書ともいえるような内容になっているのかもしれない。まあ、「一発屋」になるということは一度は売れたということであり、売れるだけの実力はあったということなのだから。一発屋にすらなれず、やめていく芸人はどんなに多いことか。
 この人たちクラスでなく、もう少し世間からの認知レベルが低い芸人も扱ってほしい気がする。