「一発屋」・髭男爵の山田ルイ53世が、俗に「一発屋」と呼ばれる芸人たちへ行ったインタビューをまとめた一冊。『新潮45』2017年1~12月号連載。2018年、第24回雑誌ジャーナリズム賞作品賞受賞。2018年5月、ソフトカバーで単行本刊行。
レイザーラモンHG、コウメ太夫、テツandトモ、ジョイマン、ムーディ勝山と天津・木村、波田陽区、ハローケイスケ、とにかく明るい安村、キンタロー。、髭男爵が登場。
いつしか「一発屋」というジャンルがお笑いでカテゴライズされるようになったが、『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』あたりで一発屋が量産、拡散されるようになり、本文中にもある通り“一発”までいかないうちにテレビから消えてしまった芸人も多い今日。キャラクターが注目を浴び、テレビで消費されまくり、飽きられていつしか出なくなる、というパターンを何度見たことか。
ただ、本作に登場する芸人のほとんどは、どのような形であれ現在も生き残っているものがほとんどだ。テレビには出れなくても、どのように生き残るか。ある意味人生の教科書ともいえるような内容になっているのかもしれない。まあ、「一発屋」になるということは一度は売れたということであり、売れるだけの実力はあったということなのだから。一発屋にすらなれず、やめていく芸人はどんなに多いことか。
この人たちクラスでなく、もう少し世間からの認知レベルが低い芸人も扱ってほしい気がする。