- 作者: カシュウタツミ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1994/04
- メディア: 文庫
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1994年、第1回日本ホラー小説賞佳作受賞。同年4月、角川ホラー文庫より刊行。
第1回佳作を受賞した3作品のうちの1作。金属イオンで蔦が成長するアイディアは始めて見たが、もしかしたら過去作品にあったのかもしれない。そこから代用神経につなげる発想も面白い。しかし、蔦が人間を乗っ取るというのは、手段はどうあれよくある展開。ここでもう少し面白いアイディアがあれば、と思ったのだが、最後はなぜか漫画チックなバトルの展開になってしまい、興醒め。前半の展開が悪くないだけに、後半をもう少し考えてほしかった。これでは佳作止まりも仕方がない。
もっと静かに侵食していく展開の方が、不気味さがより伝わっただろう。何とももったいない作品。
ホラー大賞もこれで第21回までコンプリート。もう少しだ。