- 作者: B.M.ギル,島田三蔵
- 出版社/メーカー: ミステリアス・プレス
- 発売日: 1991/05
- メディア: 文庫
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1984年発表。1985年、英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞。1985年12月、邦訳単行本刊行。1991年4月、文庫化。
英国の女流作家、B・M・ギルの法廷もの。法廷ものは嫌いではないので、結構期待して読んだのだが、ちょっと当てが外れた。
主役は被告のエドワード・カーン……ではなく、陪審員の一人、ロバート・クイン。元ザ・タイムズの記者で、今は失職中。4人の旅回り芸人に部屋を貸しているが、彼らが酔いつぶれた女性を介抱しようと連れてきたところ、それがカーンの娘、フランシス。フランシスは頑なに証言を拒否し、法廷に出ようとしない。
察しのいい人なら、ある程度予測できるだろう。なぜフランシスが証言を拒否しているのか。エドワードがなぜ証言を拒否しているのか。まあ、さすがに結末は予想できなかったが。
法廷を舞台にしているし、陪審員が議論を繰り広げるから法廷ミステリといっても不思議ではないけれど、結局は脇に置かれてしまっているのが不満。そもそも、こんな熱弁で、こんな結末を迎えるのか。うーん、陪審制度はやはり怖い。
法廷ミステリならではの緊迫感もないし、検事や弁護士が脇に置かれているのも不満。うーん、今一つだった。