平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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日弁連の「死刑廃止」宣言について思うところ

一応両方の意見を載せつつも、やっぱりおかしいと強調する産経新聞。こちらも反対意見があることを強調している読売新聞。両方の意見を載せているが、どちらかと言えば廃止よりの毎日新聞。一応反対派の意見を少し書きながらも、明確に宣言に賛成(死刑廃止)のスタンスの朝日新聞。死刑に対する意見が明確に見えてくる。それにしても、朝日の新聞記事のタイトル、「「死刑廃止」、日弁連が宣言 採択、参加7割弱の賛成で」は明らかにミスリード日弁連の会員は約3万8千人なのに、来場者786人のみと、会員全体のわずか2割、しかも規則とは言え委任状を一切受け取らずにで採決した結果をこう書くのは、明らかにおかしいでしょう。何とか世論を死刑廃止に持っていこうとする朝日の姑息な思いが、見えてきますな。記事の中で、瀬戸内寂聴のことについては一切触れなかったことも、問題だし(毎日も触れていない)。産経も時々やりすぎと思うことがあるけれど、まだ社説とか解説の記事の中だから許せる。しかし朝日は、記事の中で堂々と一方に与する内容のことを書き、こういった問題点に一切触れないようでは、偏っていると批判されても仕方がない。
私個人としては、日弁連の宣言には明確に反対。まず優先すべきは、被害者遺族への対応でしょう。死刑制度賛成の最も多い理由に対応しようともせずに死刑廃止を訴えても、何にも響いてこない。瀬戸内寂聴の発言は論外。あれを流す大会実行委員会も論外。こういう人たちが「人権」を語っているのだから、恐ろしい。自分の意見に従わない人たちに耳をかたむけず、ただ切り捨てているだけということが未だにわかっていない。冤罪で取り返しがつかないのは、死刑に限ったことじゃない。亀井静香は元警察官僚なのだから、平成になっても発生する冤罪を無くすシステムをまず考えて訴えるべきだ。
日弁連の木村保夫副会長は「被害者の声にしっかりと耳を傾け、宣言の実現に尽くしたい」と話したらしいが、いままでそんなことをしてこなかったのに、今更とってつけたように言っても、誰も信用しない。日弁連の刑事弁護センター死刑弁護小委員会が作成した手引「死刑事件の弁護のために」では、被害者参加について「被害者による質問で法廷が感情に支配され、証拠に基づかない質問がされる可能性がある」として、被告が起訴事実を否認していれば「参加に反対すべきだ」と記載している。被害者遺族側の長年の戦いで、ようやく勝ち取った権利を否定している組織が、被害者の声になんか欠片も耳を傾けようとしないだろう。