- 作者: クレイトン・ロースン,北見尚子
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1995/08
- メディア: 単行本
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1939年、発表。奇術師探偵グレイト・マーリニの長編2作目。1995年8月、邦訳発売。
これだけお膳立てしておきながら、どうしてこれだけドタバタして、まとまりの悪い作品になってしまうのだろう。まとめるだけの力がない、ということは、作家としての力が不足していたのだろう。宝探しは地図だけにとどめておくとか、できなかったのかね。おかげで、推理する楽しみがないまま、結末に辿り着いてしまう。謎の不可解さに比べてトリックがあまりにも呆気なさ過ぎて、がっかり感が一塩である。タイトルにまでなっている「天井の足跡」なんて、この程度の理由だったらいらないよ、と言いたい。あまりにも舞台が加飾で、裏から見るとみすぼらしいのがとても残念。マジックと違って拍手喝采とはいかないのは、やはり解決がしょぼい点である。
心霊学の権威であるワトラス大佐と、霊媒のマダム・ラプールは、前作『帽子から飛び出した死』に引き続いての登場。といっても、全然覚えていないのだが。
どうもこの作者とは肌が合わない。代表作である『首のない女』がまだ未読なので、気が向いたらチャレンジしたい。