平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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アメリカ探偵作家クラブ(著)/ロ−レンス・トリ−ト(編)『ミステリーの書き方』(講談社)

ミステリーの書き方 (How to write books)

ミステリーの書き方 (How to write books)

「米国の売れっ子ミステリー作家たちによる書き方指南」(裏表紙)とあるとおり、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の作家たちによるガイド本。1976年、発表。1984年2月、翻訳、刊行。

書き方は人によって色々と変わるだろうから、章によっては多数の作家による書き方を教えてくれるのは理にかなっている。ただ、各作家のコメントがずらずら並んでいるため、逆にわかりにくい部分もあった。

 読んでいて、作家によって小説の書き方が違うのだな、という発見はある。各作家が書いた作品を思い浮かべながら、コメントと比べてみるのも面白いかもしれない。ただ、最近の私は作者の背景にはそんなにこだわらなくなったので、なるほどねという以上の内容が無かったのも事実。作家や評論家になりたい人ならぜひ読んでみるべきだが、単に小説を楽しみたいという人にとってはそれほど面白いものでもない。

ちなみに目次は以下。作家の名前が書いているのは、その章に限り個人で書いている部分である。作家名が無い章は、多数の作家のコメントが載っている。



 はじめに

 第一章 なぜ書くのか

 第二章 未知の豊かさを求めて ブルース・キャンディ

 第三章 アイディアの見つけ方

 第四章 プロットの組み立て方 フレデリック・ブラウン

 第五章 ストーリーの構成法 ボーリン・ブルーム

 第六章 わたしはアウトラインをつくらない ヒラリー・ウォー

 第七章 状況設定からプロットづくりへ ゲイナ・ライオン

 第八章 いつ、どんなふうにして書くか

 第九章 シリーズ物と単発物 ヒラリー・ウォー

 第一〇章 殺人その他の犯罪捜査 トマス・M・マクブード

 第十一章 エレノア・サリバン

 第十二章 本格らしさを求めて バーバラ・フロスト

 第十三章 語り出し マイケル・アヴァロン

 第十四章 人物に厚みを持たせる方法 ジョン・D・マクドナルド

 第十五章 視点の選び方 ジャネット・グレゴリー・ヴァーマンデル

 第十六章 ワトソン役は必要か レックス・スタウト

 第十七章 サスペンス リチャード・マーチン・スターン

 第十八章 背景描写と雰囲気づくり ドロシー・ソールズベリ・デービス

 第十九章 会話 グレゴリー・マクドナルド

 第二〇章 文体について アーロン・マーク・スタイン

 第二一章 「手直し」というさびしい仕事 スタンリー・エリン

 第二二章 もう一度、よく考えて ローレンス・トリート

 第二三章 削除─外科医それとも肉屋? ヘレン・マクロイ

 第二四章 ステレオタイプを避けよ

 第二五章 つまずきの処理法

 第二六章 ゴシック小説とは何か? フィリス・A・ホイットニー

 第二七章 ペーパーバック・オリジナル ダン・マーロー

 第二八章 短編の楽しみ エドワード・D・ホック

 第二九章 ミステリーの秘訣