平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』(メディアワークス文庫)

静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは―─今はただ待ってほしい、だった。ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然―─彼女は母を待っていたのか? すべての答えの出る時が迫っていた。(粗筋紹介より引用)

2014年1月、書き下ろし刊行。



「プロローグ リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』(新潮文庫)「第一話 『彷書月刊』(弘隆社・彷徨舎)」「断章? 小山清『落葉拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)」「第二話 手塚治虫ブラック・ジャック』(秋田書店)」「断章? 小沼丹『黒いハンカチ』(創元推理文庫)」「第三話 寺島修司『われに五月を』(作品社)」「断章? 木津豊太郎『詩集 普通の鶏』(書肆季節社)」「エピローグ リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』(新潮文庫)」を収録。

せっかく栞子に告白した大輔だが、お預けを食らった状態の第5巻。いつもは大輔視点なのに、今回は断章という形で他の人の視点が挟まれる。志田の過去が語られるが、こうやって登場人物たちの闇の部分を出そうとしていくのだろうか。

最後は栞子がようやく大輔の告白を受け入れるのだが、それにしても面倒な母娘だね。