ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延,越島はぐ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
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2011年3月、書き下ろし刊行。
「第一話 夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)」、「第二話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)」、「第三話 ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)」、「第四話 太宰治『晩年』(砂子屋書房)」、全四話の日常系ミステリ。主人公でプータローの五浦大輔は、子供の頃に祖母の本棚を弄っている途中に酷く殴られてから、本を長時間読むことができない体質になっている。祖母の遺品に夏目漱石のサインがあったことから、本物かどうか「ビブリア古書堂」を尋ねるが、店主である篠川栞子は脚の骨折で入院中。大輔は栞子と会話を重ねるうちに、この本に纏わる自分の出生の謎を知る。第一話終了後、大輔はビブリア古書堂で働くこととなる。
第一話が主役二人の出会いなら、第二話、第三話は後のサブキャラクター初登場である。そして第四話は栞子が骨折で入院していた秘密が明かされ、太宰治『晩年』の署名入りのアンカット本をめぐる話が繰り広げられる。
今頃読むかといわれそうだが、家に転がっていたので手に取ってみる。古書の蘊蓄は読んでいて嫌いではないが、ライトノベルの割には動きが地味。いわゆる人情物と日常の謎が絡み合った作品かと思ったら、第四話は結構ハード。黒い人物、多いなあ。栞子という人物も結構腹黒だし。大輔ぐらいかね、素直すぎるのは。それにしても、栞子が大輔を気に入る理由がよくわからない。ミステリ要素は期待していなかったが、今一つ。
正直言って、可も無く不可も無く、といったところだろうか。退屈はしなかったが、それほど面白かったというわけでもない。うーん、なぜこれが売れたのか、よくわからない。