平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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別冊宝島『新日本プロレス10大事件の真相』(別冊宝島2250)

新日本プロレス 10大事件の真相 (別冊宝島 2250)

新日本プロレス 10大事件の真相 (別冊宝島 2250)

新日本プロレスの10大事件について、当事者や目撃者たちが最終告白する。「「猪木vsアリ」世紀の一戦」「3団体オールスター戦」「全日本との「外国人選手引き抜き」戦争」「第1回IWGP勝戦「猪木舌出し」事件」「クーデター未遂事件」「タイガーマスクが衝撃デビュー&引退」「第一次UWFの旗揚げと崩壊」「長州力新日本プロレスを離脱」「「長州乱入・海賊男・TPG」暴動事件」「前田日明UWF移籍と新日追放」の裏側が語られる。

告白者は佐山聡新間寿桜井康雄、大塚直樹、永島勝司ミスター高橋上井文彦、猪木啓介、田中ケロ、ターザン山本、小佐野景浩。

読んでみて、確かに当事者たちの告白にはなっているのだが、レスラー側が佐山聡しかいないというのはかなり残念。まあ、レスラーがこんなところで告白してしまうと、もう使われなくなってしまうだろうから今更何も言わないだろうが。ある意味猪木と敵対する側に立って人たちだから、どこまで本当なのかなあ、という部分もある。それ以上に、私が知らないだけで、「秘話」なんてないんじゃないの、という気がしないでもない。

ただ一つ言えるのは、確かにいい試合よりもスキャンダルの方が記憶に残っている、ということ。そして一般人にも届いている、ということ。例え猪木vsロビンソンが名勝負だったと語り継がれていても、それを知っているのはプロレスファンぐらいしかいない。しかし猪木がアリと戦ったことは誰でも知っている。ホーガンのアックスボンバーで舌を出して失神したことも、たけしが両国国技館に来てその後暴動になったことも、みんな覚えている。そういう意味でプロレスとは闘いではなく、スキャンダラスな人間ドラマであったのかもしれない。そしてそれを一番よく知っていたのが、アントニオ猪木だったのだろう。いや、外から見る分では猪木の人間性って好きになれないんだけれども。