平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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紫堂恭子『聖なる花嫁の反乱』第10巻(ほるぷ出版 フレックスコミックス)

ヴァンを助けたエリセが見たのは、ヴァンの影から伸びる「暗黒の御使い」。それは何を意味するのか。一方、ザディアスたちと合流したリオンは、「神聖文字」の謎を解き明かしていく。 エリセとリオン、そして「御使いたち」は世界を救えるのか――!? 長編本格ファンタジー、ついに完結!(粗筋紹介より引用)
第9巻までの展開で、どうやって終わらせるのだろうと思っていたが、最後の方は展開が早すぎ。謎解きがあっという間で、しかも説明不足のまま終わってしまったのは非常に残念。まだまだ書けることはいっぱいあったと思う。「緋の貴婦人」なんか、あれで終わりなの、というぐらい呆気ないし。ヴァンがいきなり「真相」を語り出すのは興醒め。結局「儀式の日」も大したことのないまま終わっている。書き足りなくて、第10巻はページ数が増えているけれど、これだったら12巻ぐらいまでは描けたんじゃないだろうか。作者の過去作品にある余韻という物が今回は全然なかったのも非常に残念。