平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(宝島社文庫)

京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり―。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。(粗筋紹介より引用)

第10回『このミステリーがすごい!』大賞の最終選考まで残るも落選。内容が評価され、編集部主導の下大きく改稿され、2012年8月に刊行。



新聞の広告で気になっていたのだが、シリーズでこれだけ売れてから漸く手に取ってみた。

いわゆる日常の謎もので、その謎自体も本当にちょっとしたものでしかなく、その部分だけを取ってみれば食傷気味。「その謎、大変よく挽けました」という決め台詞は、ちょっと作りすぎだろうと思ってしまう。結局珈琲店という舞台設定と、へたれなアオヤマくん、魅力的な切間美星という2人の主人公の設定が上手くはまったのだろうと思ってしまった。今時の恋愛小説のやり取りだよね、多分これは。