平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第24巻(講談社 マガジンコミックス)

かつて火事で両親を亡くし、放火を疑われた兄が海外から帰ってきて、両親の財産を使って奇妙な建物を建て始めた。心配した妹と伯母夫婦は何を作っているのか、森羅に依頼する。その建物を見た森羅は、かつてあった二笑亭を再現していると指摘した。「二笑亭」。
プロの泥棒が依頼されたのは、美術館で特別展示されている巨大ダイヤモンドを盗むこと。依頼主の情報通りの警備システムであり、予定通りダイヤを盗むことはできたが。保険会社に依頼された森羅が謎解きをする。「ダイヤ泥棒」。
イギリス貴族の長女が結婚する前に解きあかしたいのは、1年前に父がヨット上で死ぬ寸前、アンティークレースを燃やそうとしたこと。そのレースに着いているのは、かつて叔父が盗もうとしたときに撃ち殺された時の血痕。実は父が仕組んだことじゃないかとの疑念が付きまとっていた。「レース」。
イングランド北部でアンティーク箪笥のオークションが行われ、その余興としてレイン姉妹による降霊術が行われた。ところが2度目の術の時、タンスの中に入った姉がナイフで殺された。暗闇とはいえ衆人環視の中で、しかもカギがかかったタンスという密室の状況でどのようにして殺したのか。"闇市場の魔女"と呼ばれるマウ・スガールが謎解きをする。「タンスの中の幽霊」。
気が付けば24巻目。今回は森羅らしい題材が扱われていたと思う。「ダイヤ泥棒」「タンスの中の幽霊」は既出のトリックだが、やはり見せ方がうまいので楽しく読むことができる。「二笑亭」「レース」はちょっと意外な結末だった。
マウが出てくるスピンオフは結構楽しかった(初期の頃よりお人好しな気がする)が、立樹の活躍が少なかったのは残念だった。