- 作者: 福田洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1985/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
事件は主犯である富永を中心に描かれている。そのせいか、富永が悲劇の主人公っぽくなっているのだが、よくよく見れば単に背伸びをしすぎて事業に失敗しただけに過ぎない。ニセ札としてはなかなかの出来だったらしいが、店頭で呆気なくニセ札と見破られるなど、過去の事件と比べればそれほど話題にはならなかったと思われる。
殺人事件のような派手な事件ではないためか、展開そのものも地味であり、ノンフィクション・ノベルとしてはそれほど面白味がない。あとがき等が全くないため、作者の言葉は何一つ聞こえてこない。いったい何故作者がこの題材を選んだのか、聞いてみたいところである。