- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1987/07
- メディア: 文庫
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夏の軽井沢、藤波武子女史の別荘内外で起こった連続殺人事件に巻き込まれた栗本薫クン。事件の背景にアイドル歌手朝吹麻衣子一家の暗い過去があるとにらんで、真相究明に乗り出す。ポワロVSミス・マープルにも匹敵する夢の対決、伊集院大介VS栗本薫がくりひろげるはじめての推理合戦の結果は? (下巻粗筋より引用)
1984年11月、講談社ノベルスより書き下ろし刊行。1987年7月文庫化。
栗本薫が生み出した二大スター、名探偵伊集院大介と小説家栗本薫が夢の競演。とはいえ、伊集院の活躍はあまりなく、もう一人の栗本薫(♂)は、16歳の人気アイドル朝吹麻衣子に一目惚れして、恋愛関係の方が忙しい。薫の方は事件に巻き込まれているのだが、解決しようという意欲があまり見えず、伊集院は脇役状態。それなのに、気がついたら二人とも事件の真相を見破っているというのだから、ミステリとしてはさっぱり面白くない。言っちゃえばこの作品、サスペンス・ラブストーリーでしかない。伊集院や薫は当然のこと、ヒロイン麻衣子をはじめ、登場人物のキャラ設定が良くできているから、作者のファンにとってはたまらないだろうけれど、どっちのキャラクターにも思い入れがない私には退屈でしかなかった。
名探偵の競演というのならば、やはり推理合戦を見たいもの。一人でも解けるような謎など見たくもない。