- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
2007年、書き下ろし。2010年文庫化。
最上俊平がまさかの復活。『ハードボイルド・エッグ』の好きな編集者が作者を口説き落として、続編を書かせたんだろうなあ、と思わせる作品。それでも力は入っているなあ。若い女性とヤクザからの猫捜しの依頼が、どちらもロシアンブルー。雇った16才のバイリンガルにはちょっと訳ありの模様。ただのペット捜し探偵のはずが、いつしか事件に巻き込まれるという展開は前作と変わらないが、ミステリ専門出版社へ書き下ろしたこともあってか、最上を取り巻く人間模様はより複雑になっており、ミステリファンの鑑賞に十分応えた仕上がりとなっている。もちろん、ユーモア有り、涙も有り。名作の続編にはがっかりさせられるものも多いが、本作品についてはファンの期待に十分応えた作品である。
それにしても、こんな終わり方をされると、新作を期待してしまうよね、絶対。