白浜政広被告本人には悪いのだが、無罪判決がそのものが意外だった。判決当日の日記にも書いたが、指紋やDNAが現場に証拠として残っているのに無罪判決が出るとは思わなかった。こう言っては悪いが、無期懲役が確定した緒方秀彦元被告の方が、無罪判決が出てもおかしくないように思える。弁護側の捏造説（指紋偽造の件については、呆れるしかなかった）も否定し、被告の主張とは反対に家を訪ねたことがあることを判決で認めているにもかかわらずである。ここまで「疑わしきは罰せず」を地でいく判決も珍しい。個人的な見解だが、控訴審では小谷野裕義被告のように、一審差し戻し判決が出ると予想していた。この判決だが、一審が鹿児島地裁という事実を今思い出した。志布志事件がなかったら、無罪判決はなかったような気がする。もちろん、いずれも新聞記事を読んでの感想なので、実際の法廷で聞いていたら、もう少し印象が変わっていたかもしれない。
