平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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石崎幸二『第四の男』(講談社ノベルス)

第四の男 (講談社ノベルス)

第四の男 (講談社ノベルス)

お嬢様学校・櫻藍女子学院の生徒が、見知らぬ車に乗せられ拉致される! が、彼女は途中で隙を見て逃げ出し無事保護された。その生徒の名は星山玲奈、大手食品メーカー会長の孫で、実母は十数年前に殺害されていた……。後日、警視総監宛に玲奈を攫ったという犯人グループより「別の女子高生を誘拐した……」との脅迫状が届く! 絡み合う3つの事件!その真相とは!?(粗筋紹介より引用)

2011年10月、書き下ろし。



毎度おなじみの「女子高生ミリア&ユリシリーズ」。お色気係(笑)の仁美や斉藤刑事も健在。斉藤刑事の石崎へのビンタは、すでにネタとまで化している。これだけシリーズが続き、ごく一部とは言え固定ファンが付いている割には、シリーズが一冊も文庫化されないとはこれいかに。

毎度おなじみ孤島が舞台……かと思いきや、島は島でも今回は普通に観光地。現在時間における殺人事件は発生しない。ただし、掛け合い漫才を続けながらも、最後に見せる推理の畳み込みについては健在。過去の事件が中心ということもあり、短めで終わってしまうのは残念だが、だらだら長くなるよりはいいだろう。

初めて登場した星山玲奈は今後レギュラー化するのだろうか。ミリアたちと比べて、石崎で遊んでいる様子も無いので、今後は貴重な存在になるかも知れない。それにさ、ここまで来たら石崎と斉藤刑事が何かの拍子でくっつくとか、二人で同じ部屋に閉じ込められるとか、そういうお約束の展開も見せてほしいところなんだけど。その前には、まず文庫化かな。