平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子・F・不二雄『チンプイ』第1巻(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

藤子・F・不二雄大全集 チンプイ (1)

藤子・F・不二雄大全集 チンプイ (1)

藤子・F・不二雄大全集第2期第7回配本の一冊。中央公論社から出ていた「藤子不二雄ランド」で1985〜1991年に連載されていた作品。普通の地球人の女の子である春日エリが、マール星レピトルボルグ王家第一王子ルルロフ殿下のお妃候補に全宇宙から選ばれた。エリにマール星とルルロフ殿下の魅力を伝えるため、お相手役として地球に居残り、春日家に同居することとなった。マール星では科学技術が発展し、設備も機械も用いず(例外もあり)にキーワードひとつで使うことができる科法があり、チンプイはエリのピンチを科法で救う。エリが選ぶのはボーイフレンドの内木くん? それとも殿下?
藤子F晩年の作品。FFランドにはいろいろ文句をつける人もいるが、両藤子の新作を読めたことなどはもっと評価されてもよいと思う。不思議な道具がキーワードになるという点では藤子Fの他作品と共通するが、女の子が主人公、恋愛要素が作品の中心軸、様々なキャラクターが次々に登場するなど、藤子F作品としてはかなり異色の作品でもある。個人的には傑作だと思っているので、完結しなかったことが非常に残念。
解説は「藤子不二雄ランド」の元編集長・嶋中行雄。FFランドにまつわるいろいろなエピソードが読めて楽しい。