平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子・F・不二雄『モッコロくん』(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

藤子・F・不二雄大全集第2期第6回配本の一冊。『幼稚園』1974年1月号〜1975年3月号および『小学一年生』1974年4月号〜1975年3月号に掲載、不思議な虫モッコロくんとゆうちゃんとの触れ合いを描いた「モッコロくん」。『幼稚園』1975年4月号〜1976年3月号および『小学一年生』1975年4月号〜1976年2月号に掲載、不思議な生物Pポコとたけしくんの触れ合いを描いた「4じげんぼうPポコ」。『めばえ』1974年5月号〜1975年3月号に掲載、ぞううくんとりすちゃんが仲良く遊ぶところを描いた、台詞を省いた絵本「ぞうくんとりすちゃん」。『キンダーブック』(フレーベル館)1974年4月号〜1975年3月号掲載、不思議な機械を発明する幼児つくるくんを主人公にした「つくるくん」。『小学一年生』1973年1月号〜3月号および『小学二年生』1973年4月号掲載、2月号以降はしのだひでお永田竹丸、松山しげるが絵を担当した「パン太くん」。『月刊てづかマガジンれお』(虫プロ商事)1972年1月号〜4月号ならびに雑誌廃刊のため掲載されたなかった1編を含む5編を収録した「パパは天さい!」を収録。

1972年〜1976年に連載された幼年物を中心として収録した一巻。「モッコロくん」は単行本未収録作品を含む全作品を収録。「4じげんぼうPポコ」「つくるくん」「パン太くん」は単行本初収録。
ドラえもん』を連載しながら、これだけの幼年物を毎年描いていたということろがすごい。似たようなアイディアでも、アプローチを変えるだけで別の作品に仕上げているのだからすごいとしか言いようがない。あっ、「すごい」を二回続けて使ってしまった。それでも「すごい」と言いたくなる。藤子Fの資質と幼年ものがあっていたのだろう。カラー作品はそのまま収録と、本当にうれしい一冊。できればそれぞれの作品を、小さい子供が読めるように別にした本をカラーで出してほしかったと思う。『ぞうくんとりすちゃん』みたいに。

「パパは天さい!」だけは対象年齢がちょっと上の作品。『COM』などとは異なり、児童漫画の原点に立ち戻った雑誌として創刊された『月刊てづかマガジンれお』に掲載されたからか、かなり力の入っていることがうかがえる。もっと続けば、藤子Fの代表作に選ばれる可能性が高かったんじゃないかとすら思えるほどだ。雑誌の廃刊で終わってしまったことが非常に残念である。下世話な質問だが、このパパ、どうやって子供を作ったんだ(笑)。