平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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R・D・ウィングフィールド『フロスト日和』(創元推理文庫)

フロスト日和 (創元推理文庫)

フロスト日和 (創元推理文庫)

ウェブスターの眉間の皺は深まる一方だった。切れ者の警部として鳴らしたこの自分が、上司に鉄拳をお見舞いしたばかりに、降格のうえ、役立たずのぼんくら親爺、ジャック・フロストのお守り役を押しつけられる羽目となった。だが、肌寒い秋の季節、連続婦女暴行魔は悪行の限りを尽くし、市内の公衆便所では浮浪者の死体が小便のなかに浮かぶ。ここはひとつ、ロートル警部になりかわって事件解決に邁進しなくては……。皆から無能とそしられながら、名物警部フロストの不眠不休の奮戦は続く。笑いと緊張が堪能できる、まさに得難い個性の第二弾。(粗筋紹介より引用)

1987年イギリスで刊行、1994年翻訳。『クリスマスのフロスト』に続くシリーズ第二作。



毎度のごとく、新刊で買って今頃読む。前作は文春でランキングに入ったから読んで面白かったと叫んでいたわりに、何で今まで読まなかったんだろう。

前作に続くモジュラー型の警察小説。様々な事件が並行して進行し、それが意外なところでからみあうところが腕の見せ所。鼻つまみ者のフロスト警部に振り回されつつ、気がついたら事件が解決しているのも同じパターン。ただそれだけだと他の警察小説と変わらないが、本作の見所はやっぱり主人公であるフロスト警部のキャラクター。登場人物だけではなくて、読者も振り回されながら事件解決まで楽しみながら読めばいい作品。余計な感想は不要だよね、きっと。

次作も新刊で買っているんだよね。厚いから手を出す気力が湧いてこないんだけど。