パジャママン+きゃぷてんボン+とんでこい ようちえんバス (藤子・F・不二雄大全集)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/09/24
- メディア: コミック
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藤子Fといえば小学館専属のイメージがあるが、一時期は講談社の学習雑誌に多数連載を持っていた。そのつながりなのかどうかはわからないが、『ドラえもん』などを連載している裏で、このような幼年向け作品も執筆していたが、今までまとめられることはなかった。全集のよいところは、「パジャママン」このような作品が一冊で読めること。幼年向けということもあり、その他愛なさは大人が読むにはちょっとしんどいところもあるが、随所に他作品とつながるようなアイディアが見られ、藤子F読者はその辺も楽しむことができるのではないか。「きゃぷてんボン」は発明家だがだめな父親としっかり物の息子という「パパは天さい」と似たような設定。ファンクラブの会誌で読んだことがある作品だが、個人的にはもう少し続きを見たかったところ。絵物語は小品。1970年代にこういう作品を書いていたこと自体に驚く。原案者がいるようだが、その辺の作品背景は解説で書いてほしかった。
こうして幼年物をまとめて読むと、『漫画少年』の頃からの精神を最後まで書き続けたのは藤子Fだったんだと気付かされる。手塚治虫も晩年まで幼年物を描いていたが、この分野では藤子Fに敵わなかったのではないか。ずっと描き続けた、という点も含めて。