藤子・Ｆ・不二雄『少年SF短編』第1巻（小学館 藤子・Ｆ・不二雄大全集）

藤子・F・不二雄大全集 少年SF短編 1

藤子・Ｆ・不二雄大全集第2期第2回配本の一冊。藤子FのSF（スコシ・フシギ）な作品を楽しめる一冊。1975年〜1979年、『週刊少年サンデー』『週刊少年サンデー増刊号』に掲載された「ポストの中の明日」「ひとりぼっちの宇宙戦争」「おれ、夕子」「未来ドロボウ」「流血鬼」「ふたりぼっち」「宇宙船製造法」「山寺グラフィティ」「恋人製造法」の9編を収録。
本質は他の作品と全く変わらないのであろうが、やはりSF短編は藤子Fの別の世界をもたらすシリーズという印象がある。あふれるばかりのアイディアを短いページの中に盛り込み、昔ながらの少年物らしさを失わずに仕上げると腕は、藤子Fしかできない技であった。全作品読んだことがあるものばかりだが、何度読んでもよいものはよい。手塚治虫の『ライオンブックス』とならぶSF短編集の傑作だろう。