魔夜峰央『May(メイ)（たぶん）探偵プリコロ』第4巻（祥伝社 ロマ×プリコレクション）

May探偵プリコロ4 (Feelコミックス ロマ×プリコレクション)

コロネラ大学で一番古株の教授が射殺された。机の上には「M」と読めるようなダイイング・メッセージが。「プロフェッサーの死」。
市長が国土局長へ会いに来た。ドアの前に居た秘書は、先ほど声がしましたから中にいるはずですという。しかし局長の姿はなかった。局長はそれっきり行方不明に。実は局長に賄賂の疑惑がかかっていた。「国土局長失踪事件」。
透視能力者千年ドラゴンの秘書が首吊り自殺をした。現場に疑わしいところは何もない。しかしコロネットの推理は違っていた。「超能力射殺人事件」。
コロネラ王国の王子様、コロネットの的外れな推理でなぜか事件が解決するシリーズ第4巻。
帯は有栖川有栖。「山盛りのアイディアと抜群のセンス　こんな上質の本格ミステリマンガを見逃してはいけない」とべた褒め。そこまですごいかどうかはともかく、一つの事件で二つの回答を準備しなければならない縛りをずっとクリアしているのは、さすがである。ただ骨格はいつも同じなので、ワンパターンと言ってしまえばそれまでなのだが。
残念ながら今回はちょっと苦しい推理が続いた。特に失踪事件のトリックは拍子抜け。もうちょっとがんばれ、といいたいところ。
それにしても描き下ろしなんだから、毎回コロネットが探偵事務所を開くくだりを書かなくてもいいと思うんだが。