平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第15巻(講談社 マガジンコミックス)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(15) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(15) (講談社コミックス月刊マガジン)

動き出すというミノタウロスの木像。既に何人もが木像に襲われているという。そして襲われた被害者はいずれも「太陽を見た」と呟いていた。ひょんなことからその木像の謎を解くことになった森羅。ところが警護していた若手刑事も襲われて。「アリアドネの糸」。

貨物船のそばという穴場へ来た森羅、立樹とクラスメイトたち。ところがそこで目撃したのは麻薬密輸取引現場。張り込んでいた警察が逮捕したまではよかったが、肝心の麻薬が見つからない。「魚釣り」。

カンボジアで発掘された女神像が、研究所から博物館までの輸送途中に盗まれた。日本の金融業者が買ったという情報をつかんで来日したのは、森羅の二人の目の父親、スタンだった。「スタン」。

事業家であり大英博物館の理事でもある92歳の女性が、体が弱っているにもかかわらず来日。結婚してインドへ行くとき、少女時代の親友が渡したキルトに秘められたメッセージの謎を、指輪の持ち主である森羅に解いてほしいという依頼だった。「キルト」。

相変わらず国際色は豊かだが、いったい何語でしゃべっているんだこいつら。「アリアドネの糸」は今まで原因に気付かないほうが不思議な話。「魚釣り」のトリックは面白いが、絶対人間は助からないと思うのは私だけ? 「スタン」は古典落語のネタみたいな騙しはあくまでサブで、メインは二人の目の父親紹介というだけの作品。まあオチがきれいだったからいいか。「キルト」については、燈馬だったら真実を伝えていたんじゃないか、などと比較してみたり。
一話完結にしないで、せめて二話ぐらいでボリュームのあるものを読みたいなあと思うのは読者の贅沢か。“驚異の部屋”がどんどん安っぽくなってきている気がする。