平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ローレンス・サンダーズ『欲望の殺人 [第二の大罪]』(ハヤカワ文庫NV)

欲望の殺人 (1982年) (ハヤカワ文庫―NV)

欲望の殺人 (1982年) (ハヤカワ文庫―NV)

イタリア・ルネサンスの巨匠を彷彿させる天才画家メイトランド――その彼が何者かによって惨殺された! 捜査陣の必死の努力も空しく、犯人は不明。思い余ったニューヨーク市警本部は、引退した元刑事部長のディレイニーに協力を依頼した。だが、アル中の刑事とともに開始した彼の捜査も困難を極めた。きらびやかな才能と歪んだ性格を合せ持つ被害者の周囲には、殺人の動機を抱く人々が群れ集まっていたのだ。醜い感情と欲望が交錯するなか、ディレイニーは次第に真相に肉薄していくが……。ベストセラー作家が『魔性の殺人』に続いて放つ傑作長篇(粗筋紹介より引用)

1977年発表。ディレイニーを主人公とする作品は『盗聴』『魔性の殺人』に続く3冊目。1982年7月翻訳。



ドキュメントノベル風の『盗聴』、心理サスペンスの『魔性の殺人』といった話題作で評判となったサンダーズのディレイニーを主人公とした作品3作目。大罪シリーズでは2作目。『魔性の殺人』を読んだのは20年以上前だった気がする。誰が出ていたかなんて、ほとんど覚えていない。それでもこの作品は面白く読むことが出来た。

簡単に言っちゃうと、エキセントリックな天才画家の殺人事件を追うだけの話だけなんだけどね。メイトランドの周囲にも曰くありげな人物はいっぱいいるし、追う方も引退した元刑事部長とアル中の刑事。登場人物はいろいろあるけれど、結局はただの殺人事件の捜査。それでも結局引き込まれてしまうのは、人の様々な欲望を鮮やかに書いているからだろうか。

久しぶりに読んだけれど楽しめました。とはいえ長すぎるので、なかなか次を読む気になれない。