平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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東川篤哉『学ばない探偵たちの学園』(光文社文庫)

学ばない探偵たちの学園 (光文社文庫)

学ばない探偵たちの学園 (光文社文庫)

私立鯉ヶ窪学園に転校した赤坂通は、文芸部に入るつもりが、何故か探偵部に入部してしまう。部長の多摩川と部員・八橋とともに部活動に励むなか、学園で密室殺人事件が発生! 被害者は、アイドルを盗撮しようとしたカメラマン。妙な名前の刑事コンビや、個性派揃いの教師たちが事件をかき回すなか、芸能クラスのアイドルも失踪! 学園が誇る探偵部の推理は!?(粗筋紹介より引用)

2004年1月、ジョイ・ノベルス(実業之日本社)より刊行。2009年5月、文庫化。



ユーモア本格ミステリを書き続けている作者の新シリーズ。高校の非公認探偵部を舞台とした長編だが、読んでいて楽しくない。やっぱりこの手のシリーズは部員に女の子が常時いなきゃダメなんだよ……という個人的意見はともかく、アラが見えて気に入らない。特に素人が死体を見ても全然驚かないといった部分はどうかと思う。アイドルが失踪しているのに学園内を全部調べようとしない警察もどうかと思うし、そもそも死臭とかは問題なかったのかと問いつめたくなる。物理トリックについてはあっ、そう、としか思えない。読んでいても面白くないから、あら探しばかりしてしまう自分が嫌になる。悪のりと悪ふざけとユーモアの境界線は難しいと思うが、そこを間違えてはいけない、と思ってしまった作品だった。