![越境捜査2 挑発 越境捜査2 挑発](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ZOo4vdE2L._SL160_.jpg)
- 作者: 笹本稜平
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/02/16
- メディア: 単行本
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『小説推理』2008年8月号〜2009年9月号まで連載された作品を加筆・修正し、2010年2月に刊行。
前作『越境捜査』で痛快な活躍ぶりを見せた鷺沼&井上のコンビが帰ってきた。どちらかといえば正義の熱い心を持っている鷺沼と、ばくち好きで金儲けになることを探し回っているような井上という正反対な性格の二人が、時には互いの欠点を補い、時には自らの長所を生かす形で事件にぶつかっていく。前作でも活躍したやくざの福富、パソコンが得意な若手刑事の井上、上司の三好係長も登場。正義に立ち向かうべく、もしくは金儲けのため、などと動機はそれぞれ異なりながらも、見事なチームワークで巨大な敵に立ち向かう姿は読んでいてスカッとするものがある。本作は前作より単純なようで実はかなり込み入っており、どこに真相があるのかを追い求める点でも十分に楽しめる。飛田、深見などの登場人物もそれぞれ魅力的に描かれいているし、意外な伏線の張り方など構成も巧みな仕上がり。帯にある「事件の謎にグイ、グイ、グイたっぷり読ませる警察小説」という惹句が珍しく的確。警察小説で、また一つ楽しみなシリーズが増えたと言ってよいのではないだろうか。愉快痛快な傑作であり、広く読まれてほしい。
どうでもいい指摘かもしれないが、最後はいくら何でも早すぎ。作者が勘違いしている気もするが、どう頑張ったって、そんなに早い手続きは有り得ない。