平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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柳原望『高杉さん家のお弁当』第1巻(メディアファクトリー MFコミックス)

高杉さん家のおべんとう 1

高杉さん家のおべんとう 1

博士号はとったものの無職で大学の研究室にいる温巳は未来への見通しもつかないまま日々を過ごす31歳。ある日歳若い叔母の美哉が急逝し、12歳の従妹・久留里を引き取ることに。他人に心を開かない久留里との共同生活。ふたりが近づくきっかけは「おべんとう」だった。少し(!?)ラブ入りハートフルお弁当コメディ、軽やかにスタート。久留里のかわいさにクラクラです!!(粗筋紹介より引用)

コミックフラッパー』2009年5月号〜11月号連載。白泉社から切られた感のあった柳原望メディアファクトリーで復活、というところでいい? 親戚や知り合いの子を引き取るという話はわりとあるけれど、主人公が先の知れないオーバードクターというところと、二人をつなぐキーワードがお弁当というところがこの作品の面白いところ。お弁当に作るような料理だから素朴というか、ありふれているものばかりなのだが、とはいえほとんど縁のなかった人から見たらやはり毎日料理をしてお弁当を作るというのは冒険といえる。久留里が作る夕食、そして温巳が作るお弁当。絵で見ると結構おいしそう。それにしても、趣味が節約で、特技が特売巡りという中学生という設定は考えるとすごいと思う。心を開くのが苦手で、しゃべり方も断片的なところがあるから、周囲には誤解されやすいタイプだが、こうやって見るとかわいいね、久留里という少女は。
柳原らしいほのぼのハートフルストーリー。北海道から来た特別研究員の小坂さんが温巳に対する想いに気づいてしまったということもあり、恋愛模様もいろいろと出てきそう。続きがとても楽しみ。
ところで、久留里の同級生であるなつ希の母親が、温巳の大学時代の同期である香山さんということは、香山さんって学生時代に子供を産んだってこと? それも20歳くらいの頃に。