平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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別冊宝島編集部編『プロレス下流地帯』(宝島SUGOI文庫)

プロレス下流地帯 (宝島SUGOI文庫 A へ 1-120)

プロレス下流地帯 (宝島SUGOI文庫 A へ 1-120)

依然として低迷を続けるプロレス界。本書では「大不況マット界の修羅を見た男たち」をテーマに、盛者必衰の人間ドラマを取材した。地上波中継を打ち切られたノアの危機、史上最悪のスキャンダル団体「WJ」の凄まじき“地獄のアングル”、団体の「契約更改ドキュメント」「リストラ現場」「火祭り経営」ほか、現代の“プロレス蟹工船”の実体に肉薄。この業界に復興の目はあるのか、ないのか――。専門誌には載らない真実に迫る。(紹介文より引用)

2009年3月に刊行された『別冊宝島1599 プロレス下流地帯』を改訂して文庫化。



わずか8ヶ月後の文庫化。ペースが速いんじゃないかと思うが、前半1/4がNOAHを扱っていることと、その盟主であった三沢光晴が6月に試合中の事故が元でなくなったことを考えると、仕方のないところか。

一時は新日本プロレスを抜いてプロレス界の盟主となったNOAHの凋落ぶりが前半のテーマ。その後も各プロレス団体のスキャンダルや低迷ぶりを追いながら、インタビューなどを中心にプロレス界の低迷ぶりを追っている。

まあ、プロレス団体とプロレス専門誌には切っても切れない複雑なつながりがあるだろう(笑)から、悪口(特にメジャー団体)を書けないのも仕方のないこと。だからこそ、宝島のような暴露記事的な内容の本もそれなりに売れるわけだし。とはいえ、宝島などで書いている人たちの多くも元々は専門誌出身なわけで。そこのところが、プロレス界の複雑なところだね。単純に勝った、負けたでは計れない、不思議な世界だから。

とはいえ、毎日のように興業が行われているスポーツは他にないわけで。確かに赤字経営の団体も多いけれど、いざとなれば数千から万単位で人が集まるプロスポーツは今でもそうそうないよ。昔ほどではないが、“下流地帯”というほどの不況とも思えないし、思っていない。少しずつ細分化されてきたが、いざというときのパワーはまだまだ持ち合わせていると思っている。ということで言いたいのは、プロレスがんばれ、ということかな。