平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

藤子・F・不二雄『キテレツ大百科』第2巻(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

キテレツ大百科 2 (藤子・F・不二雄大全集)

キテレツ大百科 2 (藤子・F・不二雄大全集)

藤子・F・不二雄大全集第4回配本のうちの一冊。家の光協会が発行する月刊誌『こどもの光』1974年4月号〜1977年7月号に連載された全40編のうち、後半20編を収録した完結巻。キテレツとみよちゃんの仲が深まっていたり(小学生レベルだけど)、頭が良いはずのキテレツによるドジぶりが強調されたりと、発明品そのものを中心とした面白さから、発明品によって振り回されるキャラクターの面白さを押し出す方向に移ってきているのがみえてくる。ブタゴリラやトンガリあたりのキャラクターももっと生かすことが出来たらよかったと思うし、連載が続けばもっとその方向へと進んでいったのだろう。アニメが8年も続いたのは、脚本家の雪室俊一が巻末の解説で語っているとおり、「ふくらます要素がふんだんに詰まっていた」からに違いない。もっと読みたかった作品である。