平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

桂歌丸・三遊亭楽太郎二人会

山陽放送サービス主催、岡山市民会館で開かれた二人会に行ってきました。落語をこういう形で聞くのは20年以上ぶりだったりするかも。『笑点』の人気者二人がそろうということで、会館はほぼ満席。去年に続いて二回目らしい。
最初は桂枝太郎歌丸の弟子で、今年真打ちになったばっかり。「こういう会で、すぐに楽太郎や歌丸が出るわけないでしょう」と笑わせた後に、『笑点』では山田隆夫のアシスタントとして座布団を手渡す係として「手」だけ出演していると笑わせる。酒井法子の時事ネタで笑わせた後、古典落語「つる」。声の調子が悪かったせいか、今ひとつ。時事ネタのマクラから落語へのつなぎもスムーズではなかった。声を張り上げるところがやかましく聞こえるのはマイナスじゃないかなあ。演芸場とこういう会館との差を使い分けできていない感じがした。
続いて三遊亭楽太郎。「今日は歌丸師匠の、最期の高座へようこそ」といきなりの切り出しで笑わせる。弟子の枝太郎も絡めた歌丸ネタで笑わせるのだが、それでも「ああいう風に先頭に立っている人がまだまだがんばるから、我々も追いつけるようがんばらなければいけない」と立てるところは立てているのも当然とはいえ流石か。もっとも「さっさと止まればいいのに」と落とすところもうまい。そこから子供の奉公の話へスムーズに持っていき、うんちくを語るインテリっぽさを見せながら「藪入り」をみっちり。人情話がうまい人だと思う。
一席終わった後は座布団を返して出ていきめくりを返すのだが、わざと歌丸の分もひっくり返そうとして笑いを取るところなんかは細かいけれどうまい。さらに楽太郎がお茶を運んで置くのだが、蓋を開けるなどの細かい演技を見せて笑わせた後に歌丸登場。
歌丸、座って一礼の後、お茶の蓋を開けて中身を確認するところでいきなりの笑いを取る。そして負けじと「私があっちに行く時は、アイツを必ず道連れにします」とネタにするところは、定番のやり取りなれどさすが。そこから入院中に川柳の勉強をしたとの話から間男の話へ流れ、「紙入れ」の一席をみっちりと。「化粧術」の珍芸を持っているだけあって、女性の描写は本当にうまい。しっかりと笑わせてもらいました。ところで小学生ぐらいの子供がちらほらいたけれど、間男とかこの話のネタがわかったんだろうか。
全部で90分。しっかり楽しみました。最後は「三遊亭円楽襲名披露興行」の案内がアナウンスされていた。来年3月に岡山でもやるらしい。仕事が忙しくなかったら行きたいところだ。